クリスチャン・ディオール(Christian Dior, 1905年1月21日~1957年10月24日)

「近代ファッションの父」とも言われるクリスチャン・ディオール氏は、1905年に
フランス北部で生まれました。

実業家の父を持ち、大変裕福な少年時代でしたが、早くから芸術に強く惹かれるものがあり、
美術関連の学校に進学することを望んでいました。

父親は、息子を外交官にしたかったのでそれに反対し、無理やりと呼ぶに相応しい形で、
息子をパリの大学に進学させました。

これが、若きクリスチャンの転機となります。

何はともあれ、両親のいないところで自由伸び伸びと暮らすことができ、勉強よりも芸術家たちとの
交流を心から楽しみ、自由を謳歌しました。

そんな彼に、ファッションの道へ進むきっかけを与えたのが、彼の友人です。

その友人は、ディオールが当時経営していた画廊が閉鎖されたのを受け、ファッション業界に
携わってみないか?と提案したのです。

こうして、ファッション業界に入ることになったのですが、すぐにその洗練されたセンスは開花し、
注目を集めるようになりました。

そこからの活躍は目覚しく、第二次大戦後の荒れ果てた社会を贅沢な布使いの美しいドレスで
彩ることに成功したのです。

人はディオールの新しいスタイルを、「ニュールック」と呼ぶようになりました。

そのディオールは、1957年に死去。
イヴ・サン=ローランやジャンフランコ・フェレが、その後主任デザイナーとしてディオールの
歴史を継承していきます。

ジョン・ガリアーノ(John Galliano, 1960年11月28日~)

2011年3月まで、ディオールの主任デザイナーだったのが、イギリス人のジョン・ガリアーノです。

彼は、英国人の父とスペイン人の母を持ち、スペインで生まれました。

その後イギリスに移住、イギリスではファッションのカレッジを首席で卒業し、卒業制作発表会では
早くも多くのファッション関係者から注目を集めていました。

イギリスでキャリアをスタートさせたガリアーノは、一度スランプを経験しています。

偉大なる未来のトップデザイナーに期待をする声が高すぎ、プレッシャーで追い詰められた時期が
あったのです。

その後パリに移住し、ほぼ無一文の状態からお金を工面してショーを開き、そこで、
アナ・ウィンタース(米ヴォーグ誌編集長)の目に留まったことで、本格的なキャリアを
スタートさせることになりました。

その後の活躍の目覚ましさは、誰もが知るところになります。

1991年にパリコレの正式会員になり、自身のブランドも手掛けながら、ジバンシイの主任デザイナーを
限定的にこなした後、ディオールの主任デザイナーに任命されました。

ガリアーノ自身は、1980年代からキャリアをスタートさせた若手です。

しかし、あっという間にフランスのファッション業界が一目置くくらいの貫録を身につけました。

それだけに、2011年に泥酔の上に人種差別発言をしたとして逮捕され、更にディオールを解雇された
ことは、本当に残念です。

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