ピエール・カルダン(Pierre Cardin, 1922年7月7日~)
ピエール・カルダンは、古くからのオートクチュール・メンバーの一人であり、
数々の慈善事業も行うデザイナーです。
フランス人の両親のもとでイタリアで生まれ、1945年にパリに移住します。
彼の父はワインメーカーを営んでおり、息子に事業を継がせることを望んでいましたが、
カルダンはバレエやコスチュームデザインに夢中で、結局後継ぎにはなりませんでした。
彼自身は、自分がデザイナーになることをさほど思い描いておらず、建築の勉強をしていました。
ところが、偉大な劇作家、ジャン・コクトーの舞台衣装を手がけたことで、ファッション業界に
転身という選択肢を得ることになったのです。
カルダンは、ディオールの元で修業を積んだあと、自身のメゾン「ピエール・カルダン」を
1950年に設立しました。
しかし、初めから全てが受け入れられたわけではありません。
彼は建築家らしく、非常に幾何学的な模様を好んだり、女性の体にフィットしないような、
実用的とはいえない服を好んでデザインをしていたので、受け入れられるまでには時間が
かかりました。
やがて、その独自のセンスが世間に認められるようになると、事業の幅をどんどん広げていきます。
日本の市場にいち早く目をつけたフランス人デザイナーは、ほかでもないカルダンです。
現在でもカルダンブランドは、精力的な事業を展開し続けています。