アール・デコ(Art Deco)

アール・デコは「装飾芸術」の意味で、特にパリ国際装飾美術博覧会が開かれた1925年に花開いた
芸術様式のことです。

アール・デコ様式には、それまでの様式に、世界各地からの影響を受けた、新たな芸術に対する精神が
投影され、イスラム文化、アステカ文化、インドや中国、日本の装飾様式などを積極的に取り入れる
動きが見られました。

また、幾何学的で、図形や結晶などの形をベースにしたデザインが多く見受けられます。

画家や舞台作家は、こういった流れに大きく影響を受け、その作品の傾向を変えていきましたが、
ファッションでも多くのアール・デコ影響下の新しいスタイルが生まれました。

ポール・ポワレは、アール・デコ様式をいち早く自分のデザインに取り入れました。

また、ショーメがアール・デコ様式を意識した斬新なデザインのジュエリーを制作したのも、この頃です。

アール・デコが花開いた1925年は、第一次大戦と第二次大戦の間の落ち着いた時代でした。

人々は、芸術やファッションに時間を費やすことができたのです。

この時代の女性は、「女性解放運動」の先駆けとなった人たちで、女性の自立や知性が尊重され、
それが服装にも反映されました。

「ギャルソンヌ・ルック」というボーイッシュなスタイルが、洗練された大人の証として流行したのも、
アール・デコの影響を受けた、時代の流れによるものだと思われます。

フランスの近現代ファッション史

フランスのファッションと文化

LVMHグループ

フランスのメゾンとデザイナーたち

このページの先頭へ