オリエンタリズム

オリエンタリズムとは、東洋志向の芸術様式全般のことをいい、主にヨーロッパ人が未知の国々に
ミステリアスな魅力を感じて、多くの芸術活動を行ったことを指します。

オリエンタリズムは、具体的にいつ頃から盛んになった動きとは明言できないのですが、
アール・デコの時代には、確実にオリエンタリズムが台頭していました。

しかし、オリエンタリズムは、あくまで西洋人から見た東洋像であり、そこには、エキゾチックや
エロティック、野性的、という西洋人が求める理想の東洋像があり、東洋文化を丸っきり模倣した
ものではありません。

ポール・ポワレは、オリエンタリズムの影響を多く受け、太いベルトにマキシスカートといった
いでたちのファッションを考案しました。

これは、日本の「芸者」にインスパイアされたスタイルで、フランスで流行することになりました。

ポワレはそのほかにも、その鮮やかな色彩感覚をオリエンタリズムと融合させ、精力的な活動を
していたといいます。

ロシア系フランス人のエルテ(Erte)やシャネルも、この時代に精力的な活動を繰り広げたデザイナーで、
そのセンスを合理性のある服装に反映させていきました。

この時代には、もうコルセットでウエストを縛り付けるということも過去のことになっていて、
ファッションが東洋テイストを取り入れ始め、デザインパターンに新たに加えていった時代とも
言えるでしょう。

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