戦後のファッション

戦後のファッションに、女性たちは大きく二つの要素を求めてきました。

一つは実用性、そしてもう一つは、女性らしさです。

戦争体験で、洋服に対する実用主義的考えに拍車がかかったのは、紛れもない事実です。

この流れを、特にサン・ローランやシャネル、ジバンシイなどが後押ししました。

一方、戦中お洒落が全くできなかった女性たちは、戦争が終わり、究極に女性らしい格好をしたい
とも願いました。

この女性の心を捉えたのが、ディオールです。

ディオールのニュールックは、豊満なバストと細いウエストを強調するフェミニンなスタイルで、
瞬く間に旋風となりました。

戦争が終わり、その2,3年以内に旧オートクチュールメンバーもフランスに帰国して、まさに個性と
個性がぶつかって発展を遂げる時代がやってきたのです。

戦争直後は確かに荒れ果てていて、国の復旧ということに時間をかけなくてはならなかったのですが、
フランスのファッション産業はすぐに息を吹き返しました。

ディオールが「ニュールック」を提案したほか、シャネルが襟のないカーディガンスタイルの
ジャケットにAラインのスカートが特徴の「シャネル・スーツ」を発表、バレンシアガが
チュニックスタイルを提案し、ジヴァンシイはシュミーズ・ドレスを考案しました。

フランスでは優秀なデザイナーが次々に女性に新しいスタイルを提案し、非常に活気が溢れていたようです。

フランスの近現代ファッション史

フランスのファッションと文化

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フランスのメゾンとデザイナーたち

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