芸術とファッション

フランスにおいて、ファッションと芸術は、常に切っても切れない縁で結ばれていました。

ファッションも芸術も、無から想像力を働かせて創り上げるというプロセスが共通していることから、
画家や彫刻家がファッションに影響され、また絵画や彫刻、建築が多くのデザイナーに
インスピレーションを与え、美しいドレスを生み出してきました。

古くはポール・ポワレが芸術家たちとの交流で多くのドレスを生み出してきたことが有名です。

一番顕著に芸術との相思相愛ぶりが見られるのは、シャネルです。

シャネルは芸術家が頻繁に出入りするサロンに足を運び、新しい芸術家たちに惜しみない支援を
行っていました。

また逆に、画家のパブロ・ピカソはシャネルのパトロンになり、彼女の洋服制作のために援助を
していたといいます。

シャネルの周りには、常に彫刻家、舞台作家、音楽家などがいて、彼女自身は自分の知的好奇心を
満たすために、積極的に彼らと関わりました。

オートクチュールで古典的なフレンチファッションを豪華に再現していたクリスチャン・ラクロワは、
元々美術館の学芸員になるのが夢で、歴史的衣装への愛情を全て新たなドレス制作に注ぎ込んできました。

フランスではこのように、ファッションと芸術は対等な関係にあり、芸術に対する強い気持ちが、
常に新しいファッションのスタイルを生み出しているとも言うことができるでしょう。

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