オートクチュールの父・ウォルト(Charles Frederic Worth, 1825年~1895年)

19世紀に、現代ファッションに繋がる発展を成し遂げたのが、シャルル・フレデリック・ウォルトです。

1946年にイギリスからフランス・パリに移住した彼は、「オートクチュールの父」「現代ファッションの父」
とも呼ばれ、歴史上に名を刻んでいます。

ウォルトが成し遂げた最も大きな功績は、既製服の一般化です。

それまでのファッションは、顧客の要望に合わせて作る、完全な受注生産でしたが、ウォルトは自分が
デザインしたものを予め用意し、その商品見本を顧客の前で披露して注文を取り、顧客のサイズに合わせて
作るという方法を編み出しました。

それまでは顧客に全てを任せていたものが、デザインを仕立て屋が考えるという「デザイナー」としての
役割を彼が初めてしたことになります。

また、ウォルトのやり方こそが「オートクチュール=高級注文服」の原点ともなりました。

彼はオートクチュールを体系づけ、「シャンブル・サンディカ(パリ・オートクチュール組合)」を
組織化しました。
1868年のことです。

以来、オートクチュールの定義は、時の場合に応じて少しずつ変わりながら、現在でも維持されています。

しかし、シャンブル・サンディカ設立当初は、まだまだ女性が着心地の良さを求める時代ではなく、
やがてオートクチュールの姿も、女性の動きに応じて変わっていきます。

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