戦時中のファッション
20世紀に入り、大規模な戦争が2回勃発しました。
第一次世界大戦(1914年~1918年)と第二次世界大戦(1939年~1945年)です。
この頃は誰もがファッションや芸術活動を行う余裕をなくしていて、多くの男性デザイナーも兵士として
戦争に行くことになりました。
庶民もファッションを楽しみ始めた時代に第一次対戦が勃発し、すぐに衣類には芸術性や女らしさより
合理性が求められるようになりました。
女性もまた、労働を強いられる状態になったからです。
そんな時に一番普及したファッションは、シャネルが考案したジャージ素材のスーツやパンツスタイルです。
シャネルの洋服は、働く女性にとってまさに理想的でした。
動き回ることに最適な彼女のスタイルは、後に働く女性のシンボルとなり、知的で自立した女性が、
その証としてシャネルの洋服を着るというステイタスが生まれたのです。
そして、第二次大戦の時には、既にファッション産業には多くのメゾンがありましたが、その殆どが
事業を縮小するか、或いは一時閉めるという事態に追い込まれました。
物資の不足により洋服にする素材が不足していたので、仕方がなかったということもあります。
しかし、この戦争でも女性に求められたのは、ファッション性より実用性。
皮肉にも、戦争という出来事が、働きやすい女性のスタイルを作る一種の原動力になった、ということです。