ポール・ポワレとシャネルの改革

20世紀に入るまでの女性は、コルセットでウエストを縛り付けていました。

そこから女性を解放し、着心地のいいスタイルを確立したのが、ポール・ポワレ(Paul Poiret,
1879年4月20日~1944年4月30日)と、シャネル(Gabrielle Chanel, 1883年8月19日~1971年1月10日)です。

ポワレは元々、ウォルトの元で働いていましたが、1902年に自身のメゾンを設立しました。

ウォルトの所では、シンプルで実用的なデザインをするように言われ、またそういったデザインの洋服を
任されていました。

そして独立後、そこで学んだノウハウを生かしながら独自にデザインを続け、コルセットのないスカートを
生み出したのです。

因みにポワレの最初の功績で有名なのは、「着物コート」と呼ばれる、日本の着物要素を取り入れた
ラップコートです。

また、香水部門をファッションと融合させたのもポワレで、彼は自身のメゾンで香水を発売しています。

一方、女性の身だからこそ、それまでの洋服にどのような問題があったのかをしっかり把握し、
それを変えていこうとしたのが、シャネルです。

シャネルもコルセットの要らない洋服を制作しましたが、彼女の功績で最も注目すべきことは、
ジャージー素材の取り入れです。

それまでの肌にはフィットし得なかった素材から一転、体の動きに合わせて伸縮するジャージー素材の服は、
まさに女性にとっての理想でした。

ポワレが女性をコルセットから解放し、シャネルが新しい布を使ったことで、女性のファッションが急激に
変化することになったのです。

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